富士山登山で分かった必須アイテム追加の3選

Last Updated:2022/08/20(土)
2回目の富士山登山。前回の失敗を活かして準備万端にしたつもりだったにゃ。それでも、山頂で死ぬような思いをしたにゃ。その挙句、富士山山頂の中でも最高峰である剣ヶ峰をあきらめて下山。ご来光も拝めなかったにゃ。

その顛末と、そうならない方法を説明します。

昨日の19時から富士山に登りはじめ、午前3時に登頂。
山頂の気温は5度。

そして、風速20メートルの暴風雨だったにゃ。

防寒のための装備はゴアテックスのダウンジャケットの上にゴアテックスのレインウエアを重ね着。

風雨をしのぐ夏山登山としては最強に近いもの。

その装備をもってしても、気温5度の冷気が風速20メートルの風と雨で、絶え間なく吹き付けてくるとダメだったにゃ。吹き付ける冷気で熱がどんどん奪われ、凍え死にするような寒さでした。

午前3時の富士山山頂。山小屋や自販機の灯火、そして、数多くの登山客が装備するLEDの光があったにゃ。それでも、霧と暴風雨で視界は1メートル程度。寒さと暴風の音に加えて、視界の悪さも精神を削る恐ろしい状況。

今回の富士山はにゃんを含めて4人で登ったにゃ。そのうちの一人を山頂で見失った。登頂で疲労困憊のうえ、風雨強く、遠くには行けないはず。そこらへんにいるはずだ。実際、しばらく待っていたら、見失った一人と合流できたにゃ。その僅かな時間でも、その一人の遭難を想像せずにはいられなかった。そんな状況だったにゃ。

そんな状況下、下山は避け、日の出時刻の午前5時まで山頂にある防風目的と思われる壁面の傍に4人で固まり風雨に耐えた。

寒さで体がぶるぶると震える。

極限の悪天候とは裏腹に山頂は多くの登山客でごった返す。みんな死にそうな状況なのに、その状況とはかけ離れた賑わいがあり、大丈夫だと錯覚する。

実際に大丈夫なのかもしれない。山小屋には明かりが灯っている。万が一の場合には、助けを求められる。おしくらまんじゅうのように人の熱で温まることもできるだろう。それでも、山小屋のキャパシティには限界があるだろうし、おしくらまんじゅうも現実味がない。八甲田山の冬の行軍のようにみんなバタバタと倒れてしまうことの方が現実味があるのかもしれない。大勢いてもやられるときはみんなやられるのだろう、そんなことを思った。

防風用の壁面で一方向からの風は弱められているものの、壁の無い方向からは否応なく風が吹き付ける。地上では台風でしか見ることのない暴風だにゃ。

早く夜が明けてほしい。

パラパラとレインウェアを叩く雨粒と、ゴーゴーと地鳴りのように響く暴風雨の中、夜明けだけを願った。じっと耐えた。ぶるぶると震えて耐えた。4人とも無言だった。

登っている間も、雨と風と闇はあった。しかし、登っている間は登ることに精一杯であったことと、運動による熱で寒さは感じなかったにゃ。

山頂につくまでは、登頂することだけを考えひたすら足をうごかした。山頂につき夜明けまでの2時間は、夜明けをじっとまった。ただひたすら寒さに耐えるだけの時間だったにゃ。

そしてようやく夜明けの時間となった。

午前3時の段階から時折、雲がとぎれるとうっすらと空が明るくなっている部分が見えた。空を覆う雲はあれど、明るさを登山客の色とりどりのレインウエアの鮮やかさとして認識できるようになった。そして、下山を決意した。

富士山への道中、剣ヶ峰という最高峰の地点で記念撮影を撮ろうと話していた。それは、断念した。寒さと疲れで、限界だった。寒さと暴風雨の中、足の踏み場もないほどの登山客でごった返していて、通常1時間の剣ヶ峰までの道のりは果てしないものだった。

9合目付近まで下山すると嘘のように暴風雨はなくなった。8合目でははじめて眼下の雲が晴れ、下界に絶景が広がった。

風景を楽しみながらも体は悲鳴を上げ続けていた。一歩ごとに足に痛みがある。ひたすら足の痛みに耐え、9時45分の5合目出発のシャトルバスに乗って、無事に帰路についた。

この富士山登山の経験で、一番大事だと感じたのは「余裕を持った計画」。特に天気予報の重要性を痛感したにゃ。

天気に関しては友人の一人が、登山用品の熟練のショップ店員が教えてくれたというお天気サイト「てんきとくらす 富士山の山頂の天気」で、登山コンディションの判定「C」を侮っていたにゃ。

このお天気サイト「てんきとくらす」では登山の条件をAからCの三段階評価しているにゃ。「C」は登山には最悪な条件だにゃ。このお天気サイトでは「C」の評価とともに、「風速20メートル」という予報も出していたにゃ。

出発の前日、この「風速20メートル」が一緒に登山にいく友人の間で物議を醸した。

にゃんは、普段から信頼をおいているYahoo!天気で富士山浅間神社の天気が風速1mだったので、その情報を信じたにゃ。そのほかのお天気サイトでも富士山周辺の天気は似たり寄ったり。

「風速20メートル」という情報は「てんきとくらす」以外に皆無。

今さら富士山登山の計画をご破産するわけにもいかず、危険を感じたらすぐに引き返すという条件で、富士山登山を断行することにしたにゃ。

今思えば、「危険を感じたらすぐに引き返す。」なんてのはなんの対策にもなっていなかった。銃撃犯からの発砲で危険を感じても、手遅れなのだ。「てんきとくらす」で登山指数が「C」の時点で危険を感じるべきだったにゃ。

今は大きな間違いだったと反省しているけど、出発前、にゃんは以下のように豪語していたにゃ。

「『てんきとくらす』なんてサイトは聞いたことがないにゃ、Yahoo!天気で風速は1メートルと言ってるのに、風速20メートルはビビらせすぎだにゃ、風速20メートルといったら台風だにゃ、ありえへん。」

豪語するだけではなく、

「風速20メートルはこんなやー(笑)。」

とTwitterで見つけてきた先日の台風の動画をLINEで送ったりもしたにゃ。まさに、この台風動画の暴風を体験するハメになった。実際には台風以上に最悪な状況だったにゃ。富士山山頂という野晒しの状況で暴風雨に直面したのだから。

逃げ場もなく気温5度の暴風雨が吹きつけ続ける状況というのは、経験したものにしかわからない。

富士山に登るのは2度目。前回は天気が良かったものの短パンで登ったために、凍え死ぬ思いをしたにゃ。念のため、持っていた【その1】エマージェンシーシートで身を包み、九死に一生を得た。その恐ろしさから、短パン登山は絶対にしないと誓い、真夏にも関わらずダウンジャケットも持参したにゃ。

それでも、凍え死ぬ思いをしたにゃ。

次回の登山では【その2】登山に適したフリースも所持品に加えたいにゃ。

それから、防寒具と比べれば必須性はないけど、絶対にあったら便利だと思うのは高度計とGPSの機能のついた強固な時計、【その3】ガーミンのフラグシップモデル
それから、お金はかからない(2022年8月20日現在)最も大事なこと。

アイテムではないけど、「てんきとくらす」で登山指数が「A」であることを確認することは、登山前の必須タスクだにゃ。登山向けの天気予報は普段使いのYahoo!天気ではダメだと思い知った2022年夏の富士山登山だったにゃ。